研究から探す

建築と社会をつなぐ「マネジメント」の学び。

※この記事は2022年10月に神戸新聞へ掲載されたものです。

 2021年4月に関西学院大学に新たに開設された建築学部の特徴は、「工学」と「デザイン」をプラットホームに人・もの・場所の関係を読み取り、建築と社会をつなぐ「マネジメント」の学びです。

 私たち建築・都市空間デザイン研究室は「建築デザイン」を軸に、「建築」を形態・機能・身体・行為との関わりの中からアプローチし、都市空間が今後どうあるべきかを探究しています。その実践として、兵庫県朝来市で「そこにしかないまちの魅力」を発掘するための「竹田城跡にだけ頼らない観光まちづくり」を目指し、市職員、地域住民と連携し、フィールド調査を行っています。

朝来竹田のまち100分の1模型製作

 リノベーションなど空き家物件の多様な利用方法の提案や、地域の魅力を探ることを目的に地域住民の方々に昔の様子やかつての暮らしについてインタビューも行っています。また、具体的な設計実務や国内外コンペ(設計を競う競技会)に参加しています。

築33年の木造アパートリノベーション設計=実施前(大阪大学・武庫川女子大学共同実施)
築33年の木造アパートリノベーション設計=実施後(大阪大学・武庫川女子大学共同実施)

 研究室で重視するのは、説明する力の育成です。作品を作った際には、「なぜこういうカタチにしたのか」を説明することを求めています。建築家は「依頼主のお金」で建物や街並みをつくることになります。建築には計算式のような答えが一つではありません。「なぜこのカタチにしたのか」を自分の言葉で正しく説明する責任があるのです。

 私の夢の一つに、関西学院大学の中に建物のデザインや街づくりなど、ライフスタイルに関わるデザインを創造する会社をつくることがあります。その会社で本学の学生や卒業生が活躍してほしいと思っています。さらにその中から本学で後輩たちを教える「プロフェッサーアーキテクト(教授で建築家)」が生まれてくれたらと思っています。

 八木 康夫</span> 教授

YAGI Yasuo

建築と都市が不可分であることから「視て、学ぶ」ことを基礎として、「建築」を形態・機能・身体・行為との関わりの中からアプローチし、街に出てそれがどの様に機能しているかこれからの社会のあるべき姿はどうあるべきかと言うスタンスで建築デザインと都市空間デザイン探究しています。